「ドンッ・・・！」
「わっ！」
突然背中の方で轟音が鳴り、地面が揺れた。そして龍一は聞いた、「ヒュー・・ヒュー・・」と言う何かの音を。音に会わせて首筋に生暖かく、湿っぽい風があたっている。
龍一の顎や膝がガクガク震えた。顔は青ざめ、目は潤み、全身に大量の汗を掻いていた。
しかし龍一は後ろを見ずにはいられなかった。（ば・・化け・・物・・）その姿は人の形をしてはいるが四つんばいの格好をした、全く別の生き物だった。
おおよそ三?の真っ白な体に肘や膝、他にも肩など様々な間接部位に鋭い歯をつけた『口』を持ち、そして頭部の一番大きな『口』は顔の約半分ほどあった。
「ヒュー・・ヒュー・・」化け物の息遣いが聞こえる、体のいたるところの『口』がよだれを垂らしていた。龍一の顎は更に震えを増し、カチッカチッと音を鳴らしていた。恐怖のあまりその場にへたりこむ。
へたりこむと同時に、
「ガァァァァァァア！！」強烈な叫びとともに化け物は龍一に襲い掛かった。
「うわぁぁぁぁぁぁ！！」思わず顔を腕でおおった。その瞬間、龍一の頭の中に『死』とゆう文字が浮かび上がった。
そして・・・
「ドンッ！！・・ゴロ・・ゴロ・・ゴロ・・」
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