「なんで・・・あの時は別のがいるって・・・。」
「その別ってのが、お前だっつってんだ。」
由成は未だに信じられなかった。
(私、どうしたらいい?)
しゃがみこんだまま、沈黙が走る。
「別に・・・無理しなくてもいい。」
「えっ。いや・・・あの。そのぉ〜、いいんだけどさぁ。告白ってされた事ないんよね・・・。だ
から、ちょっと戸惑ってんの。」
「ふーん・・・。」
雄は、立ち上がった。
「お前も立てよ。」
「あっ。うん・・・。」
由成も立ち上がった。
「とりあえず・・・。」
「とりあえず?」
「血祭りに行くぞ。」
「は?」
「こんだけの罠を仕掛けてくれた2人のバカップルにな!!」
「「ヘプシッ!」」
実奈と悟は同時にくしゃみをした。
「どこかの誰かさんが噂してんのかなぁ。」
「してるんでしょうねぇ。」
こんな呑気な事を言いながら歩いていた。