「おざいあーす!!」
「あっ!! おっはよー。
健ちゃん今日もハナマルファッショーーン!!」
「えっそうっすか笑?」 (使い古したボロボロの七部袖をつまんで見てみる。)
「あっそうだ。高宮さん、今日開いてます?」
高宮隆(たかみやたかし)(38)バイト(服屋)の店長で完全なる『カマ』。小さい店なため従業員は店長と健太を含めてあと雪音と梓の4人だけだ。
「いいけど もしかして恋の相談? 」
高宮が手で健太のおしりをなでながらいった。
だが馴れている健太は少し反応しながらもなにもなかったように言葉を返した。
「はうっ。相談っていうか探しにですよ…………恋を。」
健太は目力を入れていった。
「や〜だ〜 健ちゃん微妙。」
語尾に「〜」がないときはまじでいっていることが長い付き合いの健太には十三秒でわかった。
「40前のオカマにいわれたくねぇよ笑。合コンだよ合コン。」
健太はかるく乳首をつねりながらいった。
健太はハタチからここで働いているため高宮とは七年の付き合いでなんでも気にせず話せる中だ。なので普通の友達よりふかい絆がある。
「え〜合コンするんすか健さ〜ん?」
梓が興味津々にきいてきた。
山川梓(やまかわあずさ) (21) 大学生のバイト君。髪は赤茶のストレートでルックスは抜群だがスタイルは『ぼん』『きゅ』『ぼん』のはじめの『ぼん』でつまづいている(胸がちいさい)モデル志望のバイトの後輩。 だが大きな目は完璧に可愛さを印象づけ、たまに「チーム健太」として合コンに行ったりする。
「あっ梓ちゃんも行く?」
「いくいく〜〜 でも前みたいにガテン系はむりっすから」
梓は『部活動』みたいな喋り方をする。
「まぁまぁちゃんと用意しとくから。そっちもぴっちぴっちのモデルの子たのむぜ〜〜」
健太はチャラチャラもしてなければ髪も長くないし染めてもいないスポーツ系の『ウルフカット』だ。ただ大勢でワイワイするのが大好き。
「高宮さんも独身なんだから きてな高宮さん ………あれ高宮さんは?」
「あっホントだ!いつのまにか…」
その時、着替えコーナーのカーテンが「バサッ」。
「はっ高宮さん!?健さんあっあれあれ」