星屑の神様 1

塔架  2007-11-08投稿
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人はなんで生きるんだろう。


生きるってなんだろう。


どんなに楽しい事だって苦しみや悲しみに敵うものなんてないのに。


人生なんてただのゲームにすぎない。いかにまわりを騙し、利用し、自分の位を上げていくか。実にわかりやすいゲームだ。



東堂輝月(ヒカル)は東京都に住んでいて、近くの私立高校に通っている。兄弟はいなく、父親は単身赴任で、今は母親と二人暮らしだ。特別お金持ちという訳ではないが、別に不満もなかった。

「ああ、また1日が始まる。」
義務のように輝月は学校に出かけた。



学校では、輝月はいわゆるいい子というやつだった。
「ヒカルー!!」
同じクラスの大崎唯子だ。
「おはよー。朝から元気いぃねぇ。」
得意のいつも通りの笑顔で唯子に答える。
「きいてよ、さとしったらさぁ〜!!」
また彼氏の話。唯子が話す事は大抵男の話だ。冷たいとか、お金返してくれないとか、別れたとか、戻ったとか。何度も泣いてんのに、結局それでも好きなのーとか、毎回アホじゃないかと思う。学習しない人間は輝月の一番嫌いなタイプだ。
輝月は話を聞いてるふりをし、唯子が欲しがってる言葉を言ってあげる。輝月はその人が今、どんな言葉を望んでいるのか判断するのが得意だった。それが自分が思ってる事と全く違ってたとしても、平気で普通に言えるのだ。


なんて人間は馬鹿なんだろう。ゲームって思わないと本当やってられない。



学校が終わると、輝月は決まって屋上に行く。普通は鍵がかかってて生徒は入れないのだが、輝月は前に鍵を借りた時、密かに合鍵を作っていたのだ。


誰もいない空間。屋上は輝月にとって唯一心地よい場所だった。



つづく



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