今まで行った1番好きな所に連れてってよ。
男が言った。男の運転する車を案内しながら私は大好きな河原へ向かった。
そこは昔から私が知っている場所。水も空気も音も何もかも大好きな場所だ。
ここに来るのは1年ぶり…。やっぱり大好き。
そう思った。
隣で男は大きく深呼吸している。嬉しそうに私に笑いかけて、
いい所だね。
そう言った。
そこで、石投げをしたり、足を水につけたり、二人は子供みたいに遊んだ。こんな風に飾らず遊ぶ事が出来る人がいるなんて…しかも相手は13歳年上の人。
楽しい時は早くながれて、あっとゆう間に時間はたってしまった。
同じ趣味を見つけて、楽しさを知った私と男は、頻繁に会うようになった。
ご飯を食べて、あるいはご飯を持って、自然のある場所へ行く。
これが二人のお決まりのパターンだった。同じパターンでも飽きる事はなかった。いつも違う場所へ男が連れていってくれたからだ。大人になっても大人びた食事やデートより、同じパターンで子供に戻れるこの時間が大好きだと思った。