龍と狼85

武藤 岳  2007-11-08投稿
閲覧数[527] 良い投票[0] 悪い投票[0]

パクは目を見開き、一同に言った。

「米軍の意向の全てに逆らう事はできないが、丸飲みもしない。
仁川以外の三隻の人員を上陸させ、当艦の運用に於ける必要な人員は船に残す方向でいこう。
仁川の迎撃システムなら、仮に米軍の襲撃があったとしても、四隻の防衛はできる。」

「テロ工作のような人的な攻撃にはどう対処しますか?
大統領の命令では、青龍隊を派遣する事になっていますが?」

仁川の上級士官が質問した。

パクはじっと考え、深くため息を吐くと、ゆっくりした口調で一同に言い聞かせるように話した。

「残った人員で何とかするしか、仕方あるまい。
現在のポイントから沖合5キロ先に係留する事を要請しよう。
空(から)同然の艦だ。相手も爆撃を仕掛けるなら、港湾施設の側よりも沖合の方が都合が良かろう。」


一同はパクの意見に納得した。


イージス艦・仁川は、韓国海軍、世宗大王級駆逐艦で、韓国海軍初のイージス艦である。

元々、韓国海軍は北朝鮮への防御が主な任務の為に、小型艦船が多い。

その為、イージスシステムを搭載した艦船の投入に、計画当初から、莫大な予算を注ぎ込む必要性を巡って、世論の反応は複雑だった。




投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 武藤 岳 」さんの小説

もっと見る

ミステリの新着小説

もっと見る

[PR]
ブツブツ・ザラザラ…
ツルリン綺麗な美肌♪


▲ページトップ