この女の第一印象は『よく喋り、よく笑う女』だった。
クラスの中心とも言えるこの女(名前は葵と言う)はいつでも笑顔でみんなと接していた。
俺は何となくこいつが苦手だった。
別に嫌いと言う感情ではなく、俺が他人との間に引いた境界線を、勝手に入ってきそう奴だったから…
『おい!晴輝ッ!!』
初めて話すこの俺に名前でしかも呼び捨てで葵はこう言った…。
『晴輝は雰囲気暗すぎッ!もっと元気に生きろよッ』
…ほっとけ。
『自分で元気出せないなら私が出してあげるよ!』
その日以来、葵はよく俺に話し掛けてくるようになった。