夏休み、彼は車校に通った。
寂しかった…
メールすらできないから…
彼と私の家は遠く、電車で1時間。
住んでいる県が違うせいか、長期の休みは不安でたまらなかった。
元カノが遊びにきたりして、またよりが戻ってしまうんじゃないか…
そろそろ限界と思ったときに電話をした。
「どうしたの?」
「何もない☆」
「そっか☆今雅人のとこいるよ」
頭の中で水が流れるような音がした
「さき?」
「ん?」
「何かしゃべってよ」
「うん…」
「あ、今月の記念日車校だから会えない。」
記念日なんて私は気にするような女の子ではなかった。いつもどちらかというとかずま君の方が記念日を大切にしていた。
でもこの時は、車校であることがなぜか悔しかった…
私はこんなに寂しいのに、かずま君は友達と楽しくやってるんだ…
友達とは遊ぶのに、記念日は会えないんだ…
私は言葉がでてこなくなった。
「さき?なんかしゃべってよ!きるよ?」
いつも笑顔のかずま君が初めて怒った。
こわかった
ずっと片思いしてて、付き合っても私だけがどんどん好きになっていく…
やきもちなんてやいたりしないし、何でも平気だったのに、どんどん自分が崩れてしまう…
自分の感情が醜くなるのがいやだった…
「いらない…かずま君なんていらない…」
そう言って電話をきった。
何度も電話がかかってきた。
メールもたくさん
本当は、目の前で女の子と話してるの嫌だった。私をはぶったやつの髪を触ったり、それでも好きだから見ないフリをしていた…
かずま君は太陽だから、みんなに信頼されてて、みんなを楽しい気持ちにさせて…
付き合い始めたけど、太陽は遠かった…
近付こうとするほど離れていくようであった…
ケンカをせずに楽しく過ごしていた私たちだからこそ、今回はもう終わりだと思った。
私も終わってしまえばいいと思った。
『明日の2時いつもの場所にきて。かずみの気持ちわかりたいから全部話して。』