どんなに汚れた人間世界にも、空はある。
風は吹く。
自然なままの姿。
それを見るために明日も生きようって思うんだ。
渋谷。
特別行きたい所でもないが、南条京香に誘われときどき足を運ぶ。
南条京香は高校の同級生で、まわりからは少し恐れられてる存在だ。学校にもほとんど来ないが、父親の権力で黙認されている。
輝月とは全く違ったが、そういうタイプを丸め込むのがこのゲームの面白い所だ。
おまけに金持ち。使わない手はない。
「今日遊ぼーよ、おごってあげるし!!」
輝月は遊んでも基本スタイルは変えない。
時間になれば家に帰る。
男が声をかけてくる事もあるが、一晩過ごすなんていう愚かな事は絶対しない。まぁ、京香は知り合った男と必ずといっていい程ホテルに行くが。
輝月は、モテない訳じゃない。ぶっちゃけカナリもてる。
いいよってくる男は沢山いたが、それなりにに仲良くなっても相手にしてなかった。
男のわがままに付き合わされるなんて、有り得ない。朝起こせだの、ご飯作ってだの。誰だって自分が一番なのに、どうして他人と付き合えるんだろ??
あぁ、やっと1日が終わる。変わらない事の繰り返し。
このゲームに完結はあるのだろうか??
帰りの電車の中、真っ暗になった外をただ眺めていた。
つづく