私は三姉妹の末っ子… 名前は“あみ”。
長女が“あき”で、次女が“あゆ”。
それに 父、母の5人家族。
これから話すストーリーは実話です。
私が生まれる前、父は会社を経営していて…いわゆる社長ってヤツだった。
自動門付きの大っきな家に住んでいて姉二人の学校の送り迎えは もちろん高級車…
当時では、めずらしいジャグジーつきのお風呂。誰もが羨む理想的な家族だっただろう…。
しかし、そんな幸せが続く事も無かった。…………………………倒産。
ある日、寝ていたらドタバタ…と音がして
『起きなさい。今から必要な物だけまとめるのよ。いい?分かったぁ?なるべく早くしなさいね。』と母は言い残し部屋を出て行った。
いつもの母と違かった。なんだろう…何とも言えない表情…。
小さいながらも 張り詰めた その重い空気に気づき、言われた通り急いで荷物をまとめた。
用意が出来た事を伝えにリビングに行ったら、いるはずのない親戚が何故かそこにいて父、母と共に荷物をまとめていた。みんな口数も少なく凄い険しい表情で動いていた。
怖かった。…本当に怖かった。
車に乗せられて父は急いで車を出した。…そう何かに追われて逃げるかのように…。