「じゃあまた後でなぁ〜」
藍治が手をヒラヒラさせながら秀とそれぞれのクラスに行ってしまった。
アタシと鈴子サンは同じクラス。
3限目の世界史の後、窓を開けて一番廊下側のアタシの席で鈴子サンと話していると藍治が目の前を通った。
「藍治!!」
アタシが叫ぶとタラタラ歩いていた藍治がアタシに気づいてやってくる。
「椿っちに鈴子サン。何やってんの。オレは便所。あ、それより今日帰りにラーメン行かない??」
「んーアタシパス。今日用事あるわ。」
鈴子サンが言った。
「えー椿は!?!!」
「ゴメン、アタシ今日秀の家行くんだ。…じゃあさ藍治も来ない??」
「行く行く!!!で、椿サン僕に何か用なんですよね??」
「うん、裕太きた??」
藍治は一瞬アタシの顔をじっと見て黙った。
え…何よ。
藍治は目でアタシに何か訴えている。アタシはどうしようもなくなり変な汗をかいた。
一瞬のできごとなのにアタシには5分位の長い時間が流れた。
どうしよう…。