それから私達は今までにも増して、頻繁に会うようになった。そして、私の男への愛情も更に深いものになっていった。おそらく、男の私に対しての愛情も大きくなっていただろう。
愛情を口にするなんて誰でも出来る。
と言う人もいるかもしれない。しかし、今まで付き合ってきたどんな男よりも幸せを感じる事ができたのは、男がそれだけ私を愛してくれているからだ、と私は思った。それ程、男といる時間は幸せだった。
男とは唇を重ねる事は度々あっても、肉体関係はなかった。手をつないだり、唇を重ねたり、抱きしめ合う事で、私の心は充分満たされていた。しかし、私も男もいい大人であり、それだけで満たされる関係の方がよっぽど深い愛を感じて、私の罪悪感は余計大きくなった。ただ、そこで関係を断ち切る程、私は人が出来ていなかった。
この関係を自分の中で許せていたのは、理由があった。男には子供がいなかったからだ。いくら私が自分の気持ちが大事でも、子供との時間を裂いてまで、一緒に居てほしいとは思わない。
男に子供の事を尋ねた事はなかった。出来ないのか、作らないのかは不明だったが、私は
出来ないのではないか?
と考えていた。