猫な彼と犬な私・/

 2007-11-12投稿
閲覧数[549] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「ただいまー。」
部屋が真っ暗だ。

「紺、おるん?はいるで」
そういって紺の部屋に入る。
そこにはぐったりと倒れている紺の姿が。

「紺!すごい熱やん!」
体中にびっしょり汗をかいて、苦しそうだ。
私は急いで服を脱がせ、汗をふいてベッドに寝かせた。

「38度5分ぐらいやな。」
小児科医として働いている私は紺のおでこに手を置くだけで、体温がだいたいわかる。

薬を飲ませたいが、この状態では何も食べられないだろう。
「しかたないなあ・・。」
「紺。」そういいながら、紺の体をゆする。
「ん・・」
「熱が高いから座薬入れよ。」
紺は首を横にふる。
「そんなことゆーても、えらいやろ?はよ治さな楽になれんで?」「ぃや・・ゃ・・」
「じゃあ注射にする?持ってきたろか?」
紺は、首を大きく横にふった。
「注射はいや・・。」
「じゃあ座薬いれるで?」
「ぅ・・ん」
私は冷蔵庫から座薬を取り出した。
パッケージから白いロケット型の座薬を溶けないようにティッシュでつまむ。
「パンツおろすで」
そういってズボンとパンツを、一気にずりおろした。
ひざを抱えさせ、座薬が入れやすいように座薬の先を指で溶かす。
「いくで。口軽く開けて息吐いて。」
−グッ。
「いっ・・」
「力入れたらあかんよ。痛くなるで。」
私は紺の背中をさすりながら、少しずつ座薬をいれる。
−チュルン。
出てこないように、ティッシュで押さえる。
「おわったで。」
そういってパンツとズボンを履かせ、熱さまシートをおでこに貼る。
「つめてっ・・」
「気持ちええやろっ?氷枕も作ってきたるから待っててな。」
「ん・・」
氷枕を作り紺の部屋に持っていくと、紺は座薬が効いたのかぐっすり眠っていた。
私はそっと紺の頭を上げ、氷枕を敷いた。

「おやすみ・・。」

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 灯 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ