冷たい手

さき  2007-11-12投稿
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『39度熱ある。テストうけたら早退する』

彼からメールがきた。
だから私は学校へ行きながら、元々冷たい手をさらに冷たくなるように風にさらした。

ほっぺにあてると震えるくらい冷たくなってた。

(これならきっと気持ちいかな。熱なんてすぐに下がる☆)

指先が段々赤くなりながらも、ずっと風にさらしていた。

学校について彼が来た。
何気なく私の手に触れた…

「冷たっ。寒い〜」

熱が上がっているときは寒いってこと、忘れていた。

それから私は間違って当たってしまうことのないよう、手を袖の中に入れて、ぎゅっと握った。

(早くあったまれ)

冷え切った私の手は、暖まることはなかった。

こういう時にしか冷たい手を使えないのに、役に立たなかった…


何て声をかければいい?
何をしたら楽になれる?


苦しそうにしている彼に、かけてあげる言葉さえ見つからなかった…
お大事に。も言わずに帰ってきてしまった…



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