『39度熱ある。テストうけたら早退する』
彼からメールがきた。
だから私は学校へ行きながら、元々冷たい手をさらに冷たくなるように風にさらした。
ほっぺにあてると震えるくらい冷たくなってた。
(これならきっと気持ちいかな。熱なんてすぐに下がる☆)
指先が段々赤くなりながらも、ずっと風にさらしていた。
学校について彼が来た。
何気なく私の手に触れた…
「冷たっ。寒い〜」
熱が上がっているときは寒いってこと、忘れていた。
それから私は間違って当たってしまうことのないよう、手を袖の中に入れて、ぎゅっと握った。
(早くあったまれ)
冷え切った私の手は、暖まることはなかった。
こういう時にしか冷たい手を使えないのに、役に立たなかった…
何て声をかければいい?
何をしたら楽になれる?
苦しそうにしている彼に、かけてあげる言葉さえ見つからなかった…
お大事に。も言わずに帰ってきてしまった…