45分間ほどバスに乗るとアタシの家から4分、秀の家から3分のバス停に着く。
アタシたち3人は秀の家に向かう。
秀の部屋は2階の一番奥。
アタシはそこで一人ゲームに熱中し藍治と秀の二人は好きに時間を弄んだ。
「さぁーボス戦もクリアしたし帰るかなぁ。」
アタシは伸びをした。
「帰る??雨降ってるよ。」
秀が部屋の窓を開けて言った。
「えー…傘貸して??」
「良いよぉ。藍チャンも帰る??」
「んー帰る帰る。今7時??母ちゃんに駅まで迎えきてもらおっかな。こっから駅まで歩いてどん位??」
藍治がアタシに向かって言った。
「15分位??近くはないよー。」
アタシは時計を見ながら答えた。
「オレの足の長さなら10分で着くな。」
確かに藍治は足が長い。きれいな顔にモデルみたいな体型をしている。
「ハイハイ良いから帰ろぉ。」
アタシは立って藍治の腕を引っ張った。
アタシたち3人は下まで降りて玄関で靴を履いた。そういえば秀のおねえちゃんの和葉チャンには会えなかった。
秀がビーサンをひっかけて傘立ての中から透明と青色のビニール傘を2本出した。
「あ、1本で良い。椿、家まで送ってく。」
そう言って藍治は透明のビニール傘を取った。