雄二が知らない女性と歩いていたことを、直接本人に問い詰めることもできなかった。正直に言うと恐かった。そしてこのまま続けていくのは無理だと思った。しかし今、二人の思い出のこの夕陽が見える場所に来ていることが、雄二のことを忘れたくないと思っている証拠となっていた。
もう一度夕陽を見た。すでに太陽は消えかけている。私にとって、太陽のような存在だった雄二が、消えていく。
雄二が消えていく・・・
そして、いつかに言われた言葉が頭に浮かんだ。
「死ぬときは一緒だよ」
自然と涙が溢れ出た。やっぱり雄二が好きだ。今になってやっと気付いた。
しかしこうするしか雄二と結ばれることはできない。
私は、水平線に沈んでいく雄二に向かって歩きだした。
そして私は心の中で呟いた。
「死んでも一緒にいようね」