重く少し錆付いた裏門の閂をあけ隙間から外へ出た
『なんか天気いまいちやなー』
『うん、降るんやったら降ってくれたら部活休みやのに』
もう少しまっすぐ行くとほとんど使われる事のない赤い郵便ポストが口をあけて立っている
その角を曲がれば半年前一人の学生が受験勉強中に変死した廃屋がある
『ねぇ、そこ曲がんの恐い』
『だいじょうび、だいじょうびぃー、というか家の中探険してみたくない?』
赤い大口を右に曲がると廃屋はすぐ左手に見えた
『あほか!絶対いややわ!前通るだけでも何か変な感じして恐いのにぃー』
『だってな、夜中に通ると凄い形相の男の子が二階の窓に張りついて中から助けを求めてるとかって定番の噂まであるんやで、絶対見てみたくない?』
『ない!!!ないない!絶対見たくない!!』
言いながらも同じ瞬間二人の足はピタリと止まる
『えっ?』
どちらからともなく顔見合わせた
『み、み、見た??』
『見た見た!例の窓に今一瞬人の手みたいなのがひゅっと、、、』
ガシッ!!その時二人の肩をしっかり掴む何かがあった
『きゃああああー』
化魔憶5につづく