龍と狼

武藤 岳  2007-11-13投稿
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柳田達は程なく、夕食に誘われた。

天井が高く、大理石の柱が立派なダイニングルームで、豪華なフランス料理が次々と運び込まれて来た。

「信じるか?信じないか?」

豪華な前菜を見て、柳田はアイリーンとソンスンに質問した。

「最後の晩餐かも知れないな」

ソンスンが静かに言った。

だが、アイリーンは反応が違った。

「食べられる内に食べた方がいいわ。
毒が入っている時は、死ぬだけよ。」

「よく、そんな気持ちになれるね?」

柳田はポーカーフェイスのアイリーンに呆れた顔をした。

「でも苦しんで死ぬのはイヤだから、その時はこのナイフで動脈を斬ってね。」

そう言うと、アイリーンは肉用のナイフを手に取って見せた。

一同は思わず笑った。

その時、執事が部屋に入ってきた。

「お食事をお邪魔して申し訳ありませんが、主人からのメッセージをお預かりしています。」

そう言うと部屋の壁に掛けられた、大きな液晶ディスプレイに注目するように促した。


そこには、あのオリエンタルな雰囲気を漂わせたケビンが映っていた。

「ゲストの皆さん、こんばんわ。」

その瞬間、柳田とソンスンが気付いた。

「録画じゃないな。」



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