東日本、西日本だけで無く世界のどの国も要人や工作員専門の暗殺部隊が存在している。
執行部は東日本国内でテロ活動を行う悪魔達の過激派組織の鎮圧、並び組織の撲滅等の治安維持的な任務と、
西日本に潜入し、要人暗殺、西日本にも同様に存在する執行部の有力部員の暗殺、拉致など諜報的な任務も行っているのだ。
戦争が終結しているのは西と北を巨大軍事国家に板挟みにされている為である。
日本で再び内乱が発生すれば二つの大国は軍事介入し最悪の場合東日本、西日本揃って植民地という可能性が極めて高いからだ。
だから「しかたなく」停戦しているに過ぎない。
そして水面下では激しい執行部同士の攻防戦が繰り広げられているのだ。
三人は狭い園内から外の広場へと移動していた。
園内では子供達や麗奈、真治に危害及ぶだけでは無く施設そのものの損害も計り知れないという二人の判断である。
「エルファ…『鳥籠の結界』と武器の移転を。」
エルファは黙って頷くとエルファの手には二丁のマグナムが、龍華の手には脇差しが現れた。
そしてエルファが地面に向かってマグナムを放つと魔法陣が浮かび上がり三人の回りを薄い半透明の膜が覆った。
そして龍華はそっと目をつぶった。
『敵を目の前にして目をつぶるなんて…
バカねコイツ。』
悪魔はそう思い金の棒を剣に変えて龍華に切り掛かった。
その頃麗奈達と真治と子供達は裏口からはなぞの園を抜け出して近所の公園へと向かっていた。
「二人とも大丈夫なんですかねぇ？ あの悪魔…物凄い魔力を発してましたよ…」
「大丈夫だ…奴等は伊達に執行部をやってる訳ではない…それに万が一の事があっても通報したから直ぐに増援部隊が…」
真治の言葉はそこで途切れた。
真治、麗奈、そして子供達はまるで銃を突き付けられた様な禍々しい殺気と冷たい気が走ったのを感じた。
「うぅ…」
「おい…大丈夫か！？」
麗奈は気持ち悪そうにうずくまった。
「こっ…怖ぃ…」
そう呟いた瞬間だった。
パアァァン！！！
銃声が鳴り響いた。
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