私は立花 勇華 17歳。
自分で言うのもなんだが、外見上は、真直ぐ整った黒髪でマジメそうなでもよく笑う女子高生だ。県内でもけっこう上位高の某高校に通っている。
だけど私は中学校2年生の時、自分の中の違うなにかを見つけてしまった。
思春期。
それは人間の本能、そして生の目的を認識し始める時だと私は思っている。
自分の体、そして異性の体に強い興味を持った瞬間、何か体の中で動き始め、力強く波打つ。
そしてその体験を私の体中が求めていた。
こんなことに興味を持ったのは、インターネットでのチャットからだった。
そのチャットの広場はかなり自由なつくりで、たくさんの人が参加し、私もその一人だった。
しかしそんな場所だからこそ、開放的になりすぎ、自分の欲――中でも特に、性欲を満たそうとする人が増えるのは異常に早い。
私は広がる入口の多さと強い誘惑に負けて、興味がある世界へすぐ飛び込んだ。
それが大人になるための始まりだった。
チャット上で言葉を交わし合い、1対1で空想のH。
つまり文字上だけでHをした気分になるものだ。
相手も優しい人が多かったので、詳しいことは全部教えてくれた。
私は、それがたまらなく面白くて何度も何度も行った。
まぁ、でも本気でやったことなんてないから声なんかもテキトーなところはけっこうあったけど。
家で1人になる度にコンピュータを急いでつけて、1秒でも早くチャットがしたいと必死になった。
そしてどんどん深みにハマっていったんだ。