あれから何分、何時間、何日、何年たったのだろうか。
僕はまどろみの中に居た。
暗闇
暖かく、気持ちが良い。何も考える事はなく、ただまどろみ。
声は突然聞こえだした。
【この子供達を見守り下さい。】
この声は僕に眩しい光を照らした。
視界に飛込んで来た、二組の夫婦
そして2人赤ん坊。
夫婦
【どうか、この子を見守り下さい。】
そう言うと二組の夫婦は僕の前から去っていった。
此所はどこだ?
僕は見た事の無い場所に居た。
目の前は森、自分の背中には岩場。
そして僕は....
ゴーレムのままだった。
僕は今までの事を振返ってみた。
....考えたくない
涙すら出ない体、悲しみの中、呆然と僕は時間が過ぎ、この悪夢が覚めるのを、人間に戻るのを待った。
少し違う事や、奇妙な事に気付いた。
僕の体の大きさが前より小さく成っていた。
そして、僕の前を通る【人】は、今から森に入る無事を僕に祈っていた。
僕は何も考えたくなかった。
....何日....何年たったのだろう。
ある日、子供の声が聞こえて来た。
男の子
【大丈夫だって!コッチに来いよ!】
女の子
【でも、御神体の上に乗ったら怒られるよ〜!!】
どうやら子供達は、僕の膝の上で遊んでいた。
....僕はどうやら山道の御神体らしい。
2人の子供はハシャギ過ぎたのか、僕の膝の上でお昼寝を始めた。
日が暮れ、空が赤く染まった頃。
僕の上に乗って居たのが、迎えに来た親に見つかって....ゲンコツを貰っていた。
その親は、かつて
【この子供達を見守り下さい。】
と僕に祈っていた人だった。
子供達は僕の所で、毎日遊んだ。
時に笑い、時にケンカをし、そしてまた笑う。
ある日、子供達は僕に名前を付けると言い出した。
【EMETH】
二人は僕に名前を付けた。
そして忘れない様に、僕のコメカミに名前を彫った。
しかし、親はソレを見ていて激怒。
子供達はやはり、ゲンコツを貰っていた。
つづく