「サンフランシスコのイベントは、ゾクゾクしたよ。専属のカメラマンを雇ってね、もちろん、そいつも死んじゃったけどね。カメラを探すのに苦労したよ。
でも最高にエキサイティングな映像だった。
スタジアムから結構離れたビルだったんだよ!?それがさ、爆風であんなに吹っ飛ぶなんてね!」
「狂ってる・・・。」
惨劇の様子を無邪気に話すケビンを見て、アイリーンが呟いた。
「イッたか?」
柳田がケビンに馬鹿にした口調で聞いた。
ケビンは、かなりムッとした表情に変わった。
と言うより、はっきり言って人相自体が変わった。
「・・・!」
アイリーンが絶句した。
柳田とソンスンは、ケビンの本性をやっと見れた事に、ある種の達成感を得た。
「コリア、動けるか?」
柳田がソンスンに小声で囁いた。
ソンスンは無言で首を縦に振ると、ダイニングルームの周囲を見渡した。
一見、ソンスン達以外、誰もいないように見えるが、柱の陰や窓の外に複数の気配を感じた。
「ゲームがしたい。」
ケビンが話しかけた。
柳田は周囲の気配に警戒しつつ、ケビンに問いかけた。
「どんなゲームだ?デスマッチでもご所望か?」
ケビンは冷めた目で柳田を見た。