「その女、放して貰えません?」
男達の前に立ちはだかると、私に目を向ける松本。ピンチだと言うのに、微笑してるようにも見えるのは何なの!?
一人の男が何だこいつと言うような目をして言った。「はん?ダメダメ、もう、俺らのもんだからさ〜」
(誰がアンタ等のもんじゃー!!)
と、声に出せないのが悔しいぃ!
「んじゃ、しゃーないすね」
松本はそう言うと、
コキッ…コキッ!
指を鳴らして口の端を上げる
けど目が笑ってない。
正直…
コエーー!!(泣)
「ちょ…や、ヤベくない?」一人がそう言うともう一人の男が後退りしながら言った。
「こ、コイツ見た事あると思ったら第三の松本だ…。マジ、ヤバいって!」
(第三の…松本??)
私を羽交い締めにしていた男は、それを聞いて一番に逃げ出した。
「ひぃぃ〜!!助けてーーー!!!」
続けて後の二人も猛スピードで逃げ出す。
力を無くした私はその場に座り込んで、ただ茫然と松本の姿を見ていた。
逃げて行く男達を見届けた後、向き直った松本は私に手を差し伸べ「スカート」と一言。
「へ?」
気が抜けた声を出す私に
「汚れるじゃねーか。立ちな」
と笑って手を引いた―\r