ーB組の教室前の廊下ー
里美と教室の前でウロウロしてると聡が気付いて教室から出てきた。
「聡、なに?」
いつもの会話。
「お前の親からメールがきてさ、今日の夜、親たち4人でカラオケと外食してくるから、二人で何か飯食えだって」
「また??毎週毎週よく飽きないよね。」
「まったく……んでさ、メシ、何にする?」
「何でもいいよ。聡、決めて。」
聡と私はいつもこんな感じ。お互いに言いたい事言えて、遠慮なんてしなくていいし、素直な自分でいられるんだよね。
…でも彼氏にはしたくないな。
「カレーにするか。」
今まで黙っていた里美が口を開いた。
「ねぇ、美夏、私、帰るね。なんか二人の中に入っていけなくなっちゃった。」
「え?どうしたの?一緒に夕飯食べようよ。」
「遠慮しとくわ。じゃ、美夏、明日ね。」
里美はそう言って帰ってしまった。
「カレーでいいのかよ?」
里美、どうしたんだろう…
「おい、美夏!聞いてるのかよ?」
いつもなら絶対「行く!行く!」って言うのに…
「…………」
「……アイツ、俺達が恋人同士って思ってるんじゃねーか?」
「まさか!だって、ここに来る前にちゃんと幼なじみだって言ったんだよ。」
聡の言ってる事、間違ってない気がする。里美、誤解してるのかな。
「なぁ、美夏!」
「ん?あ、カレーでいいよ。聡、作ってね。」
「あ、あぁー……」
聡も心配していた。この時の私は知らなかったけど。
「帰ろうぜ。」
私達は家に帰った。里美の事が気になって仕方なかったけど、明日、里美の本心を聞くしかないよね