私は今、ブランコに乗っている。
んで、隣のブランコでフーセンガムなんかを膨らませてるのが松本。
…何か、さっきから物凄い疑問がっ!!
もどかしさに耐え切れず、ええい、聞いちゃえ!と話を切り出した。
「何でここがわかったの?」
松本は小さな風船を作っては割り、作っては割り、それを繰り返してた。
「つけてたから」
…
「それ、ストーカーって言うんだよ?」
「あ、そうかもな」
何か、あっさりしてるし…。
「な、何でつけた訳?」
沈黙が嫌で話を続ける。
「だって、おまえ顔がいつもと違ってたんだよ。視点定まってねーし。あろう事か、学校からどんどん離れてくしさ。これは何かあんなって思った訳よ」
…始めから見られてたのか。
それで、助けてくれた。
『今のおれなら、おまえの事守ってやれると思う』
前に言ってたっけ。
そー言って、抱き締められた。
ピンチの時に助けに来る王子様は…
和也じゃなかったんだ…。
「何でよ…」
想いが言葉として出てしまう。
「溜め込むな、吐き出せ」
そう言う松本の瞳が優しくて、
まるで封印がとけたかのように
私は声をあげて泣いた―\r