たれまに〜Anniversary〜(24)

じゅりあ  2007-11-15投稿
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39.9℃…。

ダメだ、下がらない。

俺は自分の部屋のベットで一人ため息をついた。

彩…、怒ってるだろうか?それとも心配してるか?

携帯、バイト先に忘れるなんて…やっぱり熱で頭がおかしくなってたか…。

母親はパートに出かけてるし、家には誰もいない。
机の上にお粥。母親が作って行ったものだ。

ただ、今は体を起こす事もなかなか出来ない。

だるくて…だるくて。

体温計を枕元に置くと、俺は再び目を閉じた。

瞼の裏に焼き付いている

彩の顔。

『和也!』

今にもアイツの声が聞こえそうで…。
俺、それだけ惚れてたんだな。


他の男の事で嫉妬したり、やった事のないバイトしてアイツに何かを贈りたいと思ったり…。

ふと、押し入れに隠したある物を思い出す。

渡せねぇだろ…。
こんな体で…

アイツの事泣かして…。


「情けな…」


声にしてみて、更に実感する。

今まで何だったんだ―?

全部、今日の日の為に
やって来たんじゃないかっ…!!


こんなんでいいのか?
違うだろ!


自分に言い聞かせると、無理矢理、体を起こす。

動けっ!早く

今日が終わらないうちに…



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