39.9℃…。
ダメだ、下がらない。
俺は自分の部屋のベットで一人ため息をついた。
彩…、怒ってるだろうか?それとも心配してるか?
携帯、バイト先に忘れるなんて…やっぱり熱で頭がおかしくなってたか…。
母親はパートに出かけてるし、家には誰もいない。
机の上にお粥。母親が作って行ったものだ。
ただ、今は体を起こす事もなかなか出来ない。
だるくて…だるくて。
体温計を枕元に置くと、俺は再び目を閉じた。
瞼の裏に焼き付いている
彩の顔。
『和也!』
今にもアイツの声が聞こえそうで…。
俺、それだけ惚れてたんだな。
他の男の事で嫉妬したり、やった事のないバイトしてアイツに何かを贈りたいと思ったり…。
ふと、押し入れに隠したある物を思い出す。
渡せねぇだろ…。
こんな体で…
アイツの事泣かして…。
「情けな…」
声にしてみて、更に実感する。
今まで何だったんだ―?
全部、今日の日の為に
やって来たんじゃないかっ…!!
こんなんでいいのか?
違うだろ!
自分に言い聞かせると、無理矢理、体を起こす。
動けっ!早く
今日が終わらないうちに…