気がつくとベッドの上だった。
「お母さん?」
「気がついた?!」
必死に覗き込む母。顔色が悪い。
「うん。ごめん、なんか貧血みたい。」
「無理しないの、お粥作ったから、持ってくる。」
ドアをパタンと閉めた。
グスッ
ドアの向こう側で母が泣いているのがわかった。
私、どうしちゃったんだろう。
自分が、怖い。
体が鉛のように重い。頭がジンジンする。胸が縛られているように痛い。
「お粥、食べれそう?」
ガチャッとドアを開けてそういった母の顔はもういつもの元気な笑顔だった。
「うん、ありがとう。」
母にピアスのことは聞けなかった。聞いちゃ、いけない気がした。