その言葉を聞いて、ふとある事を思い出した。
男に想いを告げられた日、帰りの車の中で男が
始まりがあれば、どんな形でも終わりがある。いつかお前を失う事になるなら…いっそ気持ちを伝えない方がいいと思った。だから本当はこの気持ちを言うつもりはなかった。
と言っていた。
終わりって、この事か…。そぅ思った。男は、
子供の事を言ったら、お前が終わりにしようって言うのは分かってた。お前はそういうやつだから。
自分でも分からなかった私の良さを、男は分かっていた。
男の話を聞いて、一度流産して不安であろう奥さんをよそに、男と会っていた罪悪感、男とはもぅ会えないとゆう哀しさ、いかに男との関係を甘く考えていたか、どれだけ男を好きだったか、一気に溢れ出した想いが涙になって、とめどなく流れた。男はにぎっていた手を離し、私を強く抱きしめた。
どの位そうしていただろう。気付くと、辺りは薄暗くなり始めていた。日が短くなった事で秋を感じた。男との関係が始まったのは春になりたての頃だった。夏は夢のような時間を過ごした。そして、秋に真実を知り、冬には男は父親になる。あまりにも早くて、あまりにも色の濃い一年だ。