禍々しい大剣を持つ者へと旋風の如き突き進む雷と炎
鬼気迫るというのに依然とにやけた表情を崩さない。ただその大剣を盾のように眼前に添えるだけの構えをとる。避ける素振りなど微塵もない
『そのふざけたツラ気にいらねぇんだよ!』
『── 雷閃ッ!! 』
後先など考えずその豪胆な一撃。戟から激しくほとばしる電撃が、盾となった大剣に激突した瞬間天からの雷を誘発した。その雷は標的を軽く飲み込む。
『僕の力、見くびらないでね!』
『── 鳳炎撃!!』
大剣は地を擦り、それを勢い良く空へと突き上げる。
炎の柱が凄まじい熱波と爆発音と共に天をも灰と化すかのように現れる。その背は傍らに生い茂る木々の比ではない。
月夜の晩に突如現れた雷と炎の柱。闇に染まった後ろに見える街だけに留まらず先の山々ですら明るく染める二つの光。
それだけを放つと青の青年まで一跳びで戻る二人。
彼らの完璧な一撃。達成感が感じられる満足げな表情を浮かべる二人。
しかし、それを見据える青の青年の眼光が鋭くなる。
衰え始めた炎の中かに浮かび上がる人影。
『そんな…』
『下手な冗談は顔だけにしろや…』
衰え始めた炎の中かに浮かび上がる人影。
目の当たりの現実に驚愕し困惑する。炎の先に見える白いスーツの男が口を開いた。
無傷と離れていても明らかにわかる。
『良い余興でした。次はどんな芸術を見せてくれるか楽しみでなりません』
再びにやつく。先とは比べられないほどに不愉快な口調。いちいち癪に障る減らない口が裂けているようにも見える。
── あの猪突猛進バカ二人のお陰でこちらの実力の底を晒したも同然。さぁ、どうするか───
青の青年の表情が曇る。
── どう、考えても埒がかない。長期戦は明らかにこちらが不利になる───
『ラウル、あの技はどのくらいの時間があればできる…』
額に冷や汗が浮かぶ。視線を移さず問う
『三分でなんとかするよ!』
突然の問いに戸惑ってはいたが力強く返した
『遅い!二分だ!』
と告げると青の刃を出す。彼の右腕の痺れは消えたようだ
『任せて!』
大剣を消し目を閉じ古の言葉を紡ぐ
青年達はトッカンと共に再び参る!!