白木『………!?』
白木がこちらを向いた。
口を紅く染め肉片を噛み締めている。
鈴木は思わず刀を構えた。白木の言葉が頭をよぎる…
鈴木『(俺に殺されて白木さんが本望なら…それにもうアレは白木さんじゃない、鬼だ)』
自然に刀を持つ手に力が入る。
鈴木『御免…!』
踏み込み振り下ろした刀、それは虚しく空を裂きコンクリートに若干の溝をつけた。
ガキンッ!!
鈴木『(避けられた!?…
は!?)』
振り替えると白木の右手の鋭く尖った爪が鈴木の眼前にあった…
空気が張り詰める。
白木『…鈴木、殺せ……』鈴木『白木さん!?』
白木『ツノダを倒した、が…力を出しすぎた…もう、自分を…押さえきれない…こ、…殺してくれ』
今の一瞬、意識の戻っている白木、鈴木は躊躇する。
白木『銃で撃て…』
鈴木『……弾ぎれです』
廣馬から預かった銃、本間との戦いで撃ち尽くしていた。
白木『…?……その刀、俺がやった孫六だろ?ゲキテツが上がってる…』
鈴木『…うぅ』
涙の止まらない鈴木。
白木『…おまえは悪くない…俺にとって、おまえに殺されるのは幸福なことだ』
鈴木『御免…』
白木『いいさ…気にするな』
バンッ…!!