MURASAME

あいじ  2007-11-17投稿
閲覧数[594] 良い投票[0] 悪い投票[0]

平将門?

可王が微笑む。
振り上げられた闘志は再び立ち上がり、帝都を崩壊へ導かんとする巨大な地霊に刃をむけた。
「師匠、手伝ってもらいます」
「その意気や良し、決して足手まといになるでないぞ!」
幸司が勢いよく駆け出すとそれに合わせ可王も疾走する。その気配に気づいた亡者達がまるで鎧武者を守護するようにその進路を塞いだ。
「邪魔だ!」
羅喉の刀身が砕け、光の刃が露出する。そしてそのまま光を大地に叩きつけると凄まじい衝撃が亡者達を吹き飛ばし進路をつくりだした。
「グゥゥオオ…」
鼓膜を破るような叫び
鎧武者の剛腕が幸司の頭上へ落とされる。だが剛腕は可王が振るう小鉄により受け流され、軌道を大きく反らせた。
鎧武者が態勢を崩しその硝煙から幸司が飛び出し先刻羅殺断で穿かれた腕に刃を突き刺した。
「羅殺剣!!」
光刃が地上まで伸び鎧武者の片腕を斬り落とした。
悲鳴にも似た怒号が響き渡る。鎧武者の口元に昏い輝きが集結し巨大な球体を形作り始めた。
「…いかん!?散れ、幸司!」
可王が叫ぶより早く鎧武者から一筋の閃光が放たれた。
閃光は周りの亡者を吹き飛ばし、その衝撃の余波すら幸司と可王をも避けることはできなかった。
「チッ…」
「幸司、奴にとって腕や脚…否、その姿すら飾り物でしかない、奴の本体を探し出すのだ!」
「本体…そりゃ一体どこに…?」
鎧武者が再び閃光発射形態へ入る。
「将門塚へ戻れ、ここは俺が引き受けよう」
可王の表情…それは幸司の知る、かつての物と同じだった。幸司は疾風の如く走りだし、その背を可王へ預けた。
「嬉しいぞ、関東の鬼と呼ばれた士とこうして刃を合わせることが出来ようとは…この幸運、神に感謝するしかあるまい!」
「ヴァオオオオオオオオオ!!」
閃光が発射される、それと同時に可王が刃を振るう。
「喰い尽くせ…荒神羅皇剣!!」

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 あいじ 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ