彩の去って行った後、辺りは静まり返って少し肌寒い様な気がした。
一人ブランコに腰かけて、ため息を付く。
あーあ…。
何で教えちまったん?おれ。
真鍋先輩のバイトの事とか…。
そもそも、先輩に略奪宣言した後にあんな事聞いたからか?
『真鍋クンね、彼女にプレゼントがしたいんだって。だからあんなに根つめてシフト入れたのね。おかげで身体壊しちゃったけど…』
真鍋先輩を残して、あの部屋を出た時だった。
真鍋先輩と一緒に働いてる(恐らく先輩にあたる)女の人に聞かされた。
何も知らないおれは、あんな事いっちまった訳だけど…。
正直、出る幕ねーじゃんって、思った。
まぁ、それでも悔しいから最後に藻掻いたけどな。
だいたいわかってたんだって、こーなる事。
そんでも、少しでも望みあるならって……な。
ただ、もう泣き顔みんの嫌だなーとは思った。
好きな女には笑ってて欲しいっつーか…。
俺は想いを振り切るかのように、ブランコから飛び降りた。