あれは私が高校3年の春だった…。
何気ない学校での友人との会話の中からまさか…本気で人を愛する事になるとは、その時の私には予想などしていなかった…。
私は繰り返しの毎日に嫌気がしていた…。
友人の 「なぁ、お前もオンラインゲーム一緒にやらないか?。」
その言葉が全ての始まりだった…。
そのゲームは凄く人気らしく、たくさんの人で賑わいを見せてくれた。
今までにない光景に私は直ぐさまのめり込んだ。
学校でも友達と会話する内容がゲームが主となった。
そんなこんなで二ヶ月ぐらい過ぎた頃だろうか…私は一人の女性と知り合った。
すぐに意気投合し一緒に接続時間を合わせ、毎日の様に遊んだ。
知らず知らず私は、その顔も知らない女性に恋をしていた。
そんなある日、女性から 「よかったらメールもしようよ」っと声が掛かった。
それから毎日メールをする中で、写メを交換したりもした。
相手は年齢が24で私が18だった…だが恋愛に歳の差なんか関係なかった。
だが彼女には彼氏が居て、彼氏と同棲しているということを知り愕然とした。
その彼氏は気に食わないと彼女に手を上げ毎日の様に暴力を振るっている事を知った。
オレハ、ムリョクダ…。
本気でそう感じた。
ただ慰めの言葉や別れたほうが…とかしか言えなかった。
彼女は別れられない理由を教えてくれた。
彼氏は自宅まで来て何日も家の前で待ち伏せするらしい…家族に迷惑かけたくないから別れられない…。っと教えてくれた。
そんなある日彼女は泣きながらゲームに接続してきた。
深夜2時頃…いつもの寝る時間まで話しを聞いていたら…。
彼女は突然 「逢いたい。」と呟いた。
彼女の住んでいる場所は電車で一時間ぐらいの場所だってのは知っていた…。
だか…当然この時間電車も無いまだ車もない私には… 自転車という手段しかなかった。
迷いはなかった。
「今から行くよ。」
そして自転車で夜の街を疾走した。
愛する人の為に…。
第一部完。