ワイルドストロベリー

 2007-11-17投稿
閲覧数[149] 良い投票[0] 悪い投票[0]

大好きだった。

幸せを信じていた。

一生を共にする約束、したよね。

一緒に暮らした2ヶ月間。あなたのために毎朝お弁当を作り、二人のために家事をして、夕食を作りながら帰りを待った。

そんなことが、幸せだった。

あの頃は、いつも二人、笑顔で向き合っていられたよね。


それなのにどうして?

私の仕事の都合で、離れて暮らすことになった。あの時から、あなたは変わってしまった。

ケンカのとき、怒鳴られることが増えた。
あなたの言葉の一つ一つが、突き刺さった。

会話が減っていった。
笑顔が減っていった。

気持を伝え合うことも、話し合うことからも、あなたは逃げた。


仕事で疲れて帰ってきた時に、ただ一言、「お疲れ様」って言って欲しかったよ。

疲れてウトウトしたとき、怒らずに、ただ見守っていて欲しかった。


離れて暮らして8ヶ月。

まさか『この時』が訪れるとは思わなかった。

「離れていても、想い合えていれば大丈夫だから。頑張っておいで。」

そう言って、私を送り出してくれたあなたを、信じていたのに。

離れていても、ずっと私たちは一緒にいられると、信じていたのに。

辛いとき、私は海を見た。
海の見える場所に車を停めて、ただ時間を過ごした。
そうしていると、言葉に出来ない感情が、涙になった。
そうやって、気持を整理してきた。


私は、あなたの寝顔が好きだった。
眠っているあなたの少し固い髪の毛を、そっとなでていたこと、知らなかったでしょう?

背の高いあなたの、大きな背中が好きだった。
長いまつげも。
声も。


今までわがままばかり言って、ごめんね。

理想の奥さんになれなくて、ごめんね。

幸せにしてあげられなくて、ごめんね。

淋しい思いをさせて、ごめんね。

一緒にいられなくて、ごめんね。


一緒に、幸せになりたかったね。

愛してくれて、ありがとう。

大好きだったよ。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 海 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ