早速銀行のサイトにアクセスし、口座開設の手順を進めていった。看護師が言う通り指紋と顔の登録を要請された。
銀行のアカウントを入手するとすかさず役所サイトにアクセスして生活保証給付の支給を申請した。
滞りなく手続きは終了し、口座の残高を見てみるとちゃんと振り込まれていた。喜んだのも束の間、どうやってこの金を使うのかという疑問が湧いてきた。看護師に聞いてみよう。
「すみません。このお金はどうすれば使えるのでしょうか」
「役所が発行するIDカードで使えますよ」
「そうですか。IDカードはどうやって取得するのでしょうか」
「ここに送付してもらう事もできますよ」
「そうですか。役所サイトで送付を申請できますね?」
「はい」
「いつ頃到着するでしょうか」
「申請が完了して1時間すれば届きますよ」
「仕事が早いですね」
「全て自動化されてますから」
「はぁ!」
早速IDカードの送付を申請した。待っている間、ネットサーフィンをして時間を潰した。看護師は一旦退散し、しばらくして食事を持ってきてくれた。玄米ご飯を主食として肉料理、魚料理、野菜料理と山海の素材を満遍なく使った料理を楽しめた。夢心地だ。
瞬く間に1時間が経過し、看護師がIDカードを持ってきてくれた。旅立つ準備は全て揃った。美しくて優しい看護師と別れるのは非常に名残り惜しいが、僕は病院を後にした。