心にいっぱいの愛

ai  2006-03-26投稿
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朝になると目覚ましなんかよりも先に家中に響き渡る母の声。


「ほらっ!みんな起きて〜!!!愛っ!いつまで寝てんの〜?!学校遅刻するよ!」



時計を見るとまだ学校に行くには早すぎる時間。


 はぁ っとため息をつくとまた布団に潜り込む。


食卓には、いつも変わりばえのしないおかずが並んでいる。

「また同じパターンだな〜」

弟が悪気がなさそぉに言うと、母は口をとんがらせてすねている。

今、私の家は、祖父、母、兄、私、弟2人で暮らしている。


どこにでもある普通の家庭。




 私が2歳ぐらいの時、

幼ぃながらに少し記憶に残っている。
タバコの煙をよけて父のひざに乗り、ヒゲをジョリジョリっと触ると、父はニコッとして私をギュ〜っと抱きしめて、頬をくっつけて、すりすりしてくれた。

父の匂いは忘れなかった。

私は父が大好きだったんだと思う。

父も一人だけの女の子だったこともあり、私を一番かわいがってくれていたらしい。


父は自営業をしていたが破産寸前だった。
借金も背負っていて、母と父はケンカが絶えなかった。



 ある日父と母は裁判をし、離婚した。

父は家にあるだけのお金を持ち、
逃げるように車で去っていった。

4人の子供を残して・・・・

私は車を追い掛けた記憶がある。
夢かもしれないけど本当に追い掛けたのかもしれない。



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