次第に私の方が彼なしではいられないくらい、大好きになっていた。
厳しい親の目を盗んで深夜にデートしたり。
季節は春から夏に変わった頃、私は家を飛び出し、彼の家に転がり込んだ。
今思うとあの頃が1番自分の気持ちに素直で、かわいくて(外見じゃなく性格。恋する女の子として)1番楽しかったかもしれない。 何度も喧嘩もした。
それでも仲直りの後は必ず優しく抱きしめてくれる。そんな彼とずっとずっと一緒にいたいと思った。
一年が過ぎた頃、彼も私も、ずっと一緒にいたいと思うようになった。
今思えば軽はずみだったかもしれない。
でも…「子供ができたら結婚すればいいよ」そんな彼の言葉に、早くから子供が欲しかった私は、冷静に考えることもなく… 避妊をやめた。
避妊をやめた二週間後、彼の勤めてた会社が神戸に移転することが決まった。
もちろん、小さな会社。彼は辞めるか、神戸に行くか選択を強いられていた。 そんな時、妊娠が発覚…。嬉しいはずだった。
軽はずみとは言え、望んでいたはずだった。