私が彼女に出会ったのは、単身赴任で中国に赴任している時だった。
私が32歳、彼女18歳・・・一回り以上の年齢差だ。
最初は、人懐っこいただの子供だと感じていたっけ。
でも、いつもニコニコしながら話し掛けてくれる彼女の笑顔は、初の海外赴任での不安を癒してくれていた。
話し掛けてくれる・・・でも中国語が解らん。
このくらいから私は、必死で中国語を勉強することになる。
彼女が何を伝えたがっているのか、解らない自分が、かなりもどかしかったのを覚えている。
でもいつからか、話す言葉が理解でき「あぁ〜こういう事を言ってたんか」と思えるようになっていた。
ある日、食事に誘われた。
ちょっとドキドキ、いつしか私は、彼女の笑顔にやられてたんだよね。
もっと彼女の事が知りたいと思いはじめていた。
当日、彼女とは店で待ち合わせ、会社からは歩いて約10分、夜の中国、活気ある町並みを一人歩いて行った。
店に着くと、彼女はすでに来ていた・・・しかも個室に案内され、料理も少しずつ運ばれて来ていた。
晩上好(ワンシャンハオ)♪
と軽く挨拶を交わす。
私服もなかなか可愛い。
ニコニコしながら「ビールいる?」と彼女は言う。
「いる♪」
と私が言う。
楽しい会話、まだかなり解らん言葉があったが、彼女とは結構話しが出来た。
ビールに排骨、ビーフン・・・
あれ?よく考えたら全て私の好きな料理。
私の好みを知っている。
一緒に食事という事で、かなりリサーチしたらしい。
みんなに聞いて回ったそうだ。
18歳でビールか?と思いながら一緒に飲んだが、中国じゃ別に構わないらしい・・・でも法律じゃあかんはずだろ。
楽しい食事を終え、帰路に絶つ、肩が触れ合う距離だ。
近くにいると、私の肩くらいに頭がある。
彼女は言った。
「私の名前、発音できる?」
・・・・もちろん・・・・
「出来るよ・・・」
「じゃあ呼んでみて」
字は知っている、発音も出来るはずだがなんか可笑しかったらしい・・・。
その後、何度も名前を言わされながら歩いた。
これが、恋の始まりであったんだろうと思う。
この可愛い小悪魔との・・・。