はらり、はらりと雪降る日、赤く散り、白く光る彼を前に、笑うしか出来なかった。
ただ『裏切り者。』
そう呟いていたらしい。
これからの物語は、日向麗花のノンフィクションストーリーです。
毎日のように褐色に染まった庭を見ていると、公園に行きたくなった。
公園まで10分。
てくてく歩いていても周りにはぱっとしない色がない。
そうこうしていると華やかなコンクリート公園に着いた。
着いた...なにがしたかったのだろう。
目の前の華やかさに押されるように木製の椅子に座る。
日が落ち夕方。また褐色を見ることなった。
目の前に青い蝶とすれ違う。
好奇心にかられ、捕まえた。
エメラルドに輝いている蝶に心が奪われた。
もがいている蝶。
それさえも美しくみえる。
何か自転車が近づいてくる。
青蝶・夕焼けときたら王子様。
そう期待しつつ彼を見つめた。
やっぱり目の前に止まる。
来た!
王子様は私に声をかけた。
『なにしてんの?』
『え?』声がでない...
『虐待魔』
王子様は立ち去った。
私はどうやって帰ったか忘れてしまった。
私な手には、王子様が自転車をお止めになった時に落ちた鍵をもっていた
次の日、王子様とまた出会うことになる。
早朝、学校到着。
『お〜す。レイ。』
向こうからバタバタ走ってくる男が日渡亜紀。
『おはよう。てか、うっさい。』
『ひどいよん...。』
相変わらずかわいい亜紀の後ろからまた走ってくる。
『レイ〜。雪が...。』
『朝から泣くな!朝はおはようっね。』
『おはようございます。雪が俺のイチゴ食べた。』
『・・・』
こいつが藤池楓。
『そもそも俺のだ。』
相変わらず存在感の無いやつが、兄:藤池雪。
『いつからあたしの後にいるの。』
『亜紀と一緒にいたが、あいつ走ったからちょい遅れた。』
『そ。』
くだらない会話をしながらもクラスに着く。
『おはようございます!』
女の子が私に声をかける。
『おはよう。』
周りが黄色い声をあげる。
(あたしも女なのに。)
『すみません。今日は転入生が...』
『ん?』
ベランダ側の1番後ろの私の席に誰かが寝ている。
綺麗な男。
『ねぇ。そこあ・た・し・の。』
『んぁ?...おはようだろ。』