秋空

中村和華子  2007-11-19投稿
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秋の空を見上げた。
なんてキレイ…
彼を思い出した。
手を離してしまった 自分…
戻れない痛みはいつ消えてくんだろう…
ねぇ、のぶくん。
あなたは今独りじゃないのかな…
寂しくない?
私はあなたと付き合い初めた秋がくるたび 胸が切なさでいっぱいになるよ…
26才冬…私は彼と幸せだった。
付き合い初めてまだ
4ヶ月だけど、好きで いっぱいで、早く
お嫁さんになりたかった。
そんなある日、突然心臓が痛くなって動けなくなった…
…何だろう?
その時は疲れたせいだと思った。
でもどんどん痛みは増えていった…
夜寝てる時も痛くて目が覚める時もあった…怖くなって彼に打ち明けた。
一緒に病院についてきてくれる事になった。いろんな検査を受けて泣きそうな私を 黙って手を握ってくれた。 心強かった。
大好き。
心からそう思った… …先生に呼ばれ私はこう告げられた。
『すぐ入院して下さい。あなたは狭心症の疑いがあります。
あなたが心臓痛い原因はこの発作によるものです。
心臓へ管を入れて検査しなければいけません』
ショックで頭が真っ白になった…
とりあえず次の日入院する事になった…
帰り道私たちは無言だった。
彼の部屋についたら何故だかわからないけど、涙がとまらなかった…
泣いてる私を彼は優しく抱きしめてくれた。私は親とわだかまりがあった。
学生の頃、家出もしたしリストカットもしてた…
ずっと異性に潔癖さを求めてきた。
その原因は父親の行き過ぎた愛情だった… 中学まで父親に身体を洗われてた。
誰にも言えず、悩んで気持ち悪い自分をリストカットしていた。
彼氏が出来ても自分だけ見てくれないと嫌でアダルト雑誌、DVD、すれ違う女のコにまでやきもちをやいて、
自分だけ見てくれない男に吐き気がした。
異常な潔癖性。
こんな自分誰も愛せないと思ってた。
けど彼だけは私だけ見てくれて誠実な人だった。
私の中で頼れる人は彼だけだった。
手術の前の夜。
病院のベッドで彼とメールをしてた。
ずっと、ある事がきになってたので思い切って聞いてみた。
『ねぇ、のぶくん風俗いった事ある?』
…メールがきた。
『あるよ』私は泣き崩れた…
自分の中の何かが壊れた気がした。
大好きな彼に嫌悪感をもってしまった…
それ以来連絡をとる事はなかった。自分が後悔する事になるとは知らずに…

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