私はひたすら和也の家に向かって走った。
何でもっと早く、こうしなかったんだろ?
自分の目で確かめなかったんだろって…今更ながら思う。
待ってるだけじゃ、ダメなんだよね。
「!?」
和也の家の前に誰かいる。
よく目を凝らして近づくと、和也本人だった。
「和…!」
私に気付いた和也は大きく目を見開いて、やがて目の前で座り込むかのように倒れた。
私は直ぐ様駆け寄って肩を貸す。
(わ…、身体が熱い…!)
「和也、立てる?」
和也の顔を覗き込むと、息苦しそうに「悪い…」と呟いた。
そう言えば…倒れこむ和也なんて初めて見るなぁ。などと考えながら、支えた状態で部屋に上がる。
相変わらずキレイに整頓された部屋に似付かわしく、ベットの上だけが乱れていた。
私はそこに和也を座らすと上着を脱がせた。
妙に二人とも無言で、静寂に支配される。
なんて切り出そう…と思ってると和也から口を開いた。
「ごめんな。気付いてやれなくて…」
「え…」
振り向いたら目があって、ドキッとする私。
「淋しい思いさせて悪かった」
弱々しく伏せ気味になった目。
私は彼に向けて大きく首を横に振った。
「わ、私の方こそ…」