自分のくだらないプライドに気付いてからも私は、それを捨てられずにいまだにずるずると演じ続けている。
素晴らしく優しいものに囲まれながらそれに上手に甘えられずに…。
嬉しくて泣いたのはいつぶりだろう?
私が昨日、泣いたのはある男の前でだった。
小学生、中学生の頃に流した涙とは違う。
極上の涙と思われるものを思う存分流したのだ。
その男が何をしたというのだ?
私はそんなことを考えながら、やっぱりよくわからなくて、わからないのが悔しくて、それでも流れ出る涙は温かく幸せな嬉し涙なのだ。
なぜ泣いたのか覚えていない。
ただ、私はその男の前で弱虫で泣き虫な女になっていた。