今日、彼女は僕と同じこの星空を見ているのだろうか。見ていてくれたら嬉しい。彼女と同じ、共通のものがあるのだから。
はやく会いたい。会いたい。ただ、それだけのことなのに、胸が締め付けられそうだ。僕は彼女が好きだ。ただ、こちらが一方的に好きなだけ。彼女にしてみれば迷惑な話だ。彼女は僕を知らない。自分が勝手に知らない男に愛されていることも。
『あ、なっちゃん!おはよう。』
『佑香おはよう。』
奈美はいつも佑香と一緒だった。佑香とは小学校からのつきあいで、家も近い。性格はクールな奈美に対し、佑香は活発な女の子。反対の性格なのに妙に気が合った。
『なっちゃんて、好きな男の子いないの?』
『別に…。私どうでもいいし。』
『はぁ〜あ。さめちゃってるよ。なっちゃん。とても健全な女子高生と思えない。』
『?私は健全よ。この間血液検査したときも異常なかったし。生理も…。…。胸は佑香ほど大きくないけど…。』
『あの〜確に健全だけど、意味がちょっと違うような気が…。』
それを聞くと奈美は意地悪そうに笑った。
『フフフ…。嘘よ。佑香。ちょっとからかってみただけ。』
二人の生活はいつもと変わらない。