暗い森の中、雨の降る夜だった。
傭兵の長蛇の列が、ある目的地へと進行していた。
【何処へ向かっているんだ?】
一人の傭兵がつぶやいた。
森の中は視界が悪く、長蛇の列が道になっていた。
傭兵長
【敵砦の攻略失敗。....手柄無く帰っては生恥。】
結果、敵領地の村を焼き、食料・金品の奪取、戦果報告。
が作戦内容だった。
ネメシス
【....最悪だな】
生恥だけで、村を焼くと命令された、ネメシスは不快を示していた。
森の出口付近で、傭兵達は停止し、朝方を狙って村を襲う事にした。
ネメシスは、傭兵達の話声など聞きたいと、一人森を抜け、森の入口付近で雨を凌ぐ事にした。
ネメシス
【....山道の守り神ってやつか?】
雨が凌げそうな場所はすぐに見つかった。
それは、人の形をしたアグラで座っている、大きな岩だった。
ネメシスは膝の所で眠ろうと、横に成って御身体の顔を見た。
【EMETH】
ネメシス
【ネメス?....コイツの名前か?
はは♪俺の名前と良く似てやがる♪】
鼻で笑うと、ネメシスは静かに目を閉じ眠りについた。
何時も見る夢
悪夢
でもネメシスは、それが現実だと知ってた。
それはネメシスが子供の頃の夢、現実。
明日の作戦と同じ様に、ネメシスの生まれた村は焼かれた。
村から逃げる最の事。
ネメシスの母は息子を抱き抱え村から逃出していた。
しかし、一人の強奪者に追いつかれた。
母
【息子を渡すから命だけは助けて!!】
母親はネメシスを捨て走り出した。
強奪者は母を掴まえ、ネメシスの目の前で、ネメシスの母親、凌辱した。
それでは飽きたらず、母親の首を切落した。
その首はネメシスを見つめていた。
ネメシスの網膜にその光景は焼付いた。
母親を殺し犯して夢中になっている、強奪者の横を素早く駆出し逃げた。
何時も見る夢。
吐気と目まいが、ネメシスを襲い眠りからめざめた。
ネメシス
【....畜生】
コオォーン!!コオォーン!!
木を叩く音、空はまだ暗かったが、朝方が近のか、作戦開始の合図はこだました。
つづく