「やだよ」
「そんな事言わずにさぁ、ね?」
手を合わせて頼んでみたが、そっぽを向かれてしまった。
「速水君〜、駄目?」
「絶対駄目。無理」
断固拒否。酷いよねぇ。さっきはそっちからつっかかってきたくせに。
「……翔って呼んでくれたら良いよ」
ぅ……でも今なら良いや。
「翔」
速水君はまさかあたしが本当に言うとは思ってなかったらしく、驚いた表情でまた赤くなった。
「な……!!」
「速水君が呼べって言ったんだよ?」
「だからって……っあぁっくそっ」
おもしろい〜っ!!速水君のこんなトコ見た事なかった!超可愛い♪♪
「あらあら、騒がしいわねぇ。また来たの?」
山中先生が入って来た。保健室の先生で、あたし達は常連だから親しくなったのだ。すっごい美人でモデルみたいなの。
「おじゃましてまぁす」
にっこり笑って手を振ると、振り返してくれた。
「ねぇ先生〜、俺達が仮病使ってるコト言わないで〜」
速水君が先生にすがりつく。