19歳の暑い夏…
私は恋に落ちた…
それまでにも恋をした事はありましたが、初めて愛という言葉を知った恋愛をしました。
彼は25歳…
4歳歳上の男の人でした。
とあるバイトのオープニングスタッフで彼と知り合いました。
華奢な体で、でもどことなく男らしくて、初めて交わした言葉は未だに覚えています。
『音楽は何を聴くの?』
彼が私に初めてかけた言葉です。
私は緊張しながら
『ビートルズ』
彼はとても驚いた顔をして『ビートルズ俺も好きやで。ジョンレノンリスペクトやで。俺音楽やってるし!』
初めてなのに共通があるのに少し嬉しくなった…
私は18歳の春、プロのアーティストになりたくて、音楽の専門学校に入った。高い学費を親に出して貰ったのに、学校はあまり好きな方ではなかった…
クラブで遊んでいたり、学校外でバンドをしたり、バイトばっかりしたり…
普通に上京すればよかったのかもしれないと未だに思う。それか勉強をして大学に入ればよかったとか…
親に対していまだに謝りきれない生活を過ごした。
彼は深夜のアルバイト組で私と同じだった…。
仕事覚えが悪く、他の仕事仲間に嫌味を言われたり、虐められたりもした。
ただ、彼だけは味方でいてくれた…
アルバイトをもう辞めたいと何度も思ったけれど、彼と一緒にいたいし、彼が支えてくれていたから、頑張れた。
彼とアルバイトの休憩時間に音楽の話ができるのが唯一の楽しみだった。
後は帰りの電車が一緒だったこと…。
アルバイトにもなれて半年が過ぎた頃、虐めすらなくなり、平和なアルバイトの日々が始まった。
ある日同じアルバイトの男の子と休憩が一緒になった。すると…
『真の事が好きなんでしょ?みんな噂してるよ!二人が出来てるってさ』
私は確かに初めて出逢った時から大好きだったけど、好きな事は隠していたし、誰ともあまり話す事はなかったから、びっくりしてしまった。
『好きは好きですけど、真くんモテるし、ただ音楽の話ができるから嬉しいだけです。』素直に答えてしまった…。
その時はこれからおこる事がすごい物語の始まりになるかなんて誰もが思ってはいなかった…。
続く…