蘭の母Side4
3週間後
私は久しぶりに実家に帰った、父は仕事に行っているようなので私は帰ろうとしたが、あの家には帰りたくない…毎日違う男と交わる生活…駄目だ思考を殺せ、心を殺せ、私は父が鍵を植木鉢に隠しているのを知っている、私は鍵を取り家に入った…
●ただいま…
私は無人の家なのに{ただいま}と言った、誰もいない事を確認して中に入る、とくにする事がないので自分の部屋に行く事にした…
●最近帰って来てなかったからホコリがたまってるわね、ああ昔はよかったな…小五郎がいてお父さんがいて、生活は苦しいけど…楽しかったな…
私は急に昔が懐かしくなり小五郎の部屋も覗いた…
●小五郎か、昔はお姉ちゃんお姉ちゃんと言ってついて来て、可愛い奴だった、たしかお姉ちゃんと結婚して守ってやるなんて事も言ってたけな…
小五郎、お姉ちゃんもう限界よ、小五郎、お姉ちゃんを守って…自由にして…
●小五郎、お姉ちゃんを助けて…
涙は枯れたはずなのに、頬を伝う冷たいものは何?私はそれに気付いて、私は急いで思考を閉じようとしたが、もう止まらない涙が私を正常に戻していった…閉じなくては…閉じなくては…
30分後
私はまだ泣いていた、そして小五郎の思い出に浸るように部屋を眺めていた…
●んっ、何かなアレ?
机の上に鍵のついた箱がある、私は中になにがあるか気になった…
●暗証番号…
えーと、小五郎の誕生日は…1103…
●アレ開かないなー、暗証番号がわからないなー
さっきまで泣いていた私だが、別の事に意識が向いて涙はとまっていた
●コレかな、アレ、うーんわからないな、まさか私の誕生日かなっ!
カチッ
●えっ!
鍵があいた、私の誕生日を暗証番号にしているなんて可愛い子だ、どれ中身はなんだろな。
パカッ
中にはノートが一冊入っていた、多分日記だと思う、中身を好奇心で覗いてしまう私、中身は……
えっ、私の事ばかりだった!まさか小五郎は私を姉としてではなく、女として見ていたのか…私はパラ読みをやめ、始めから読み直した…