あれから5年… あたし結婚したよ。 忘れられない思いを秘めたまま… 今どこで何をしているかさえ、もう知る事はない。 もう一生逢うことはない。思い出すには思い出が少なすぎて…
あたしが辛く、極限状態になると決まって夢に出てきた修。いつも声は出さないで、ただ笑ってあたしの手を強く握った。 たったそれだけの夢… それだけが支えで生きてきた3年だったよ。
修がいなくなってから、全ての景色には色がなく、美味しいものも、美味しいと感じなくなった… このまま、夢に出てくるあなただけを支えに一人で生きていきたいと思った。
けど、いつからか、あたしの手を握ってくれることがなくなったね。 そうやって背中押してくれたんだね。前を見て歩きなさいって… そしてあたしは今の旦那さんと出会ったよ。修には見えていたんだね。 あの5年前のクリスマスの日から、自分の時間を止めてしまったあたしの事が…