4月6日
「これより第34回、新入生入学式をはじめます。」ドキドキ……緊張に弱い私は、そこで意識を失った――意識を失いながらもバタバタと周りの騒めく振動が微かにわかった。そのとき――ふわッと体が浮いた。ハッと目を覚ますと保健室のベッドに横になっていた。ワイシャツからは知らない匂いがした。(あ、いい匂い。香水だよね?私つけてないのに…)
ガラッと音と同時に明るく女のこらしい声がした。
「メグ――!!大丈夫!?」
小学からの親友のサチがバタバタと走りながら駆け寄ってきた。
「大丈夫だよ。もう式終わっちゃったよね?」
「当たり前じゃん!あんた高校生になったんだからソレなんとかしたら?これから生きていけんの?仮にもココ元男子高だよ!?」
そう、私が今日入学したのは今年から共学になったばかりの高校。今年の女子は300人入った内たった10人…そー考えると、だんだん怖くなった。でも、サチと離れたくなかったし…うちからも近いし…とか考えてる間にサチは先生の話を始めた。
「メグどうやって保健室まできたかわかる?!」
「ん〜…なんとなく。誰かに運ばれたんでしょ?」
「その【誰か】が重要なの!」