「え…間違った!」
斗麻君ではなかった。
あやちゃんは斗麻君にメールを送り、斗麻君は拓斗君のケイタイから電話をかけていたのだ。
『拓斗君ね☆よし!覚えた☆斗麻君の番号知ってる?』
拓斗君は、私には合わないタイプだった。
優しくておもしろく、女の子の気持ちをわかってそうな斗麻君とは全く違い、大きかったし、近寄りづらいほど怖い印象をうけた。
『090−××××−××××やで。』
『ありがとう。』
私はすぐにメールを送り、本人の確認をした。
『こんばんは☆おやすみ☆』
『はやっ!!』
斗麻君っぽい返事だった。
次の日…
2人はあやちゃんと教卓のところで話していた。
「昨日さきちゃんからメールきてんけどまじおもろい!挨拶してすぐおやすみやし!笑」
初めて斗麻君が私の話しをしてくれた。
いつの間にか惹かれていた…
メールをすぐに返してくれるのは拓斗君だった。
夏休みも、ずっと続いた。
夏休みの間、いつの間にかメールフォルダは拓斗君でいっぱいだった。
私はまだ昔の叶わぬ恋を夢みつつあった。
夏休みが終わる少し前、私は拓斗君におみやげをねだった。
私のおみやげと引き換えに…
2学期が始まった。
おみやげは、イルカのついたキーチェーンだった。
「ありがとう。」
私はいつの間にか、君に恋をした。怖いし、素っ気ないし、何話していいかわからないけど、いつの間にか気になっていた。
『俺告られたことあるけど即断った。』
メールではそんな内容の事まで話していた。
『え〜じゃあこわくて告れないじゃん?』
『誰に?』
『1、あの人2、拓斗君
どっちでしょ☆』
『1☆
え?もしかして2?』
『ピンポン☆』
『どっち??』
そのまま返さずに次の日を迎えた。
拓斗君はそわそわしていた。
放課後渡り廊下から斗麻君と拓斗君が見えた。
「拓斗が話したいことあるって!」
「ごめん。まだ帰れない。」
家に帰ってメールをみた。
『好きです。付き合って下さい。』